2025年 白浜海神祭レポート

こんにちは、ガイドのゆうこです。

今日は先日おこなわれた海神祭のお話です。

 

海神祭ってなに?

海神祭(かいじんさい)は、海の神様に航海の安全と豊漁を祈願する伝統行事で、沖縄各地や奄美群島などで毎年旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に開催されます。(※地域によって異なる場合もあり)

お気づきかもしれませんが、ユッカ ヌ ヒーとは、方言でヨッカ ノ ヒ(4日の日)という意味です😌

沖縄の行事は基本的に旧暦に則っているので、新暦では毎年日にちが前後します。今年の海神祭は5月30日におこなわれました。

西表島では白浜という集落で開催されます。

白浜は海人(うみんちゅ・・・漁師さんのこと)の町だから、だと認識していたのですが、、調べていると、もともとは炭鉱で出来た集落で、昭和12年に部落会が設置されて白浜神社を設立したお祝いに豊年祭・山上祭・海神祭をおこなったところに由来するようです。※うみんちゅの家サイトより

白浜は西表島の西側に位置しており、上原港から車で約20分で行けます。路線バスでは白浜方面行きに乗車し、終点まで乗れば到着です。

ちなみに、八重山では他に、石垣島や小浜島でも海神祭が開催されているようです。

他の地域の事はわからないので、ここからは白浜海神祭のこととしてお話しますね。

前夜祭

白浜青年会主催の前夜祭があって、白浜公民館の皆様主体でバザー出店、ステージではビール早飲み競争やカラオケ大会など大盛り上がりのイベントが開催されます。

そして終盤には大抽選会!バザーの支払いはチケット制で、チケットの綴りに抽選番号がついています。チケットを買えば買うほど抽選券も多くなるやつです。
わたしが島に来たのは2020年のコロナ真っ只中だったので中止続き、昨年復活してはじめて参加したのですが、白浜海神祭の前夜祭の景品の豪華さと景品の多さにびっくりしまた!笑
扇風機やらテレビやら自転車やら、米30キロやら、星野リゾートの宿泊券に飲食店のお食事券、石垣島への乗船チケットなどなど、、協賛の方からの提供だそうなんですが、これだけでもこのお祭りがどれだけ地域の方に愛されているかがわかりますよね。

今年のわたしの抽選券はなんと14枚!

早めに帰った友達の分も引き受けて、こりゃ絶対なんか当たるぞとワクワクが止まりません。

地域のお祭りならではで、けっこうな確率で当選者が知ってる人なので、余計に自分も当たる気がしてくるんですよね。

けっきょく、ひとつも当たりませんでした、チーン。ま、こういうのは当たったためしのない人生なので、まあこんなもんです。

夢みさせてもらいました🥹

 

本祭

そしてユッカノヒ―

午前中はハーリーと呼ばれる競漕がおこなわれます。サバニという木造の船に、漕ぎ手10名と船頭1名の11名が乗ってレースをおこなう伝統行事です。

まずは御願(うがん)バーリーがおこなわれ、東西対抗、職域対抗、婦人対抗、公民館対抗のハーリー競漕が行われます。

職域対抗は一般応募があるので、島民がそれぞれチームを組んでエントリー、本祭の2週間前から練習をはじめ、優勝を目指してそれはそれは熱い戦いが繰り広げられます。

午後からは祝賀会。白浜公民館の方々がによる伝統舞踊なんかがみられます。
わたしはいつもハーリーで疲れきってお昼に帰ってしまうので、来年こそ祝賀会もちゃんとみたいと思います。

ハーリー

ハーリー」この言葉がちらほら聞こえ始めるのが、4月くらいですかね。前からあるチームで参加者を確認したり、新しいメンバーを勧誘したり、新しくチームを作ったり。
白浜海神祭は今年度は職域ハーリーの参加応募多数で抽選もおこなわれ、計16チームが出そろいました。

海神祭の20日前、旧暦4月14日にハツカヅリおこなわれ、サバニを倉庫から出し、お祈りとお清めをしてくださり、ハーリーの練習がスタートします。

毎日のように、夕方仕事終わり白浜に集合して猛練習をします。
カヌーガイド会チームは2012年の結成からメンバーは入れ替わりながらも9連覇(途中コロナでとんでます)しており、昨年初めて敗北、2位となりました。

今年はそのリベンジもあり、練習開始時からみんな燃えています。
今年はじめての人もいるので陸上での漕ぎ方練習から、メトロノームを使って漕ぐペースをそろえる練習をしたりと、とにかく猛練習。

ハーリーのコースは片道400mの往復800mで約5~6分。この間エイクと呼ばれる櫂で水を漕ぎ続けるのですが、全力を足し切るとほんっっとうにキツいんです。

初年度は練習からキツすぎて何度さぼろうと思ったことか(実際何回かさぼったのはナイショの話)。
今年は練習をサボることもなく、ほぼ皆勤賞で頑張りましたよ。

当日船に乗れるのは11人だけ。カヌーガイド会は今年も熾烈なレギュラー争いがありました。

こんなに頑張って練習してるけど、当日出れるとは限らない、、でも練習しないと絶対出られない、、頑張るしかない、、もはや部活ですね。

そんな心の葛藤があったりしつつ、無事当日メンバーに入ることができました。

ティダカンカンのニューフェイスであるまひろ君は、本番1週間前くらいのカヤック講習会でわき腹を負傷したため、ハーリー出場は今年は辞退となりました。

語りだしたらキリがないので、あっさりめに(これでも)書きましたが、練習からドラマがあるのがハーリーです。こういう行事ごとに、みんながマジになっている、島のこういうところがわたしはけっこう好きです。

各チーム同様に約2週間、汗を流しときには涙を流し(?)の猛練習を経ての、本番というわけです。

当日カヌーガイド会は朝7時半頃に集合、白浜神社へ準備運動のランニングをしながら、お参りします。

朝早いですが、白浜の皆さんはもう準備に動かれていて、前夜祭の片づけもあったでしょうに、頭が下がります。

白浜神社へのお参りで、今年の安全と今日の勝利をお祈りし、本番に備えます。

本番直前、みんなにゲキを飛ばす元ティダカンガイドけーすけさん

構えの姿勢が美しい

ラストスパート

ゴール

 

結果はまたもや2位でした。優勝は昨年に続いてカマイサーファーズというカヌーガイド会の宿敵的なチームです。

昨年は10秒近く差をつけられての大敗でしたが、今年は折り返しまではほぼ対等、後半でジワジワ引き離され、タイムは4分53秒と57秒で4秒差。昨年よりは健闘しましたが、、

悔しかった~~~

でも全員全力を出し切りました。終わった後は立ち上がれないくらい。

表彰式ではみんな笑顔になって、その日の夜は各チームでブガリなおし(打ち上げのこと)、今年の反省やらなんやらと来年への士気を高めて、今年のハーリーシーズンが終わります。夏は今からなんですが、夏が終わったような気持ちになります。

 

「ハーリーの銅鑼がなったら梅雨が終わる」
と言い伝えられていて、海神祭が梅雨明けの時期となります。
海の神様への安全祈願をして、本格的な夏がはじまるのですね。

わたしたちガイドは、ハーリーの練習で体をバキバキにして、シーズンインというわけです。笑

まとめ

以上、今年の海神祭のお話でした。

海神祭は前夜祭も本祭も、一般の方の参加・観覧が可能ですので、この時期に遊びに来られる方はのぞきに行ってみてはいかがですか?
島の文化に触れてみると、離島旅行がよりいっそう充実するかもですよ~

ちなみに来年のユッカヌヒーは6月18日です。

というわけで、今年の夏も安全に迎え終えられますように、祈願して。

ありがとうございました!!!

写真の提供

今回の投稿に使用しているとっても素敵な写真の数々は、西表島のツアーショップ summer chamer (サマーチャマー)さんが撮影してくださったものです。代表ガイドの川崎さんは、デザインや撮影の仕事もされている方で、本当に素敵な写真をとってくださいます。

興味のある方は、ホームページをのぞいてみてくださいね!

https://www.summer-chamer.jp/

 

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