- 2018年11月30日
- 2021年5月8日
- 西表島雑学
- 655view
こんにちは!西表島ツアー会社ティダカンカン代表の玉津正人です。今日は僕が体験した冒険、シーカヤックでの西表島一周旅行記をお届けします。
周りの仲間にも少し心配されましたが、昨年西表島をシーカヤックで一周してきました。僕自身の経験として、西表島を一周するとどんな景色が見えるのかな?と単純に好奇心もありました。
同時に、西表島一周シーカヤック旅行をする前に、やっぱり怖いので色々な情報をネットで調べてみたんですが、情報をほとんどみつけることができませんでした(笑)。ですので、今後、僕と同じような体験をしたいという人のために、この内容を残しておこうと思います!
僕の西表島一周旅行記がそんな冒険好きの皆さんの参考になれば幸いです!
西表島一周シーカヤック冒険記のはじまり
お休みを頂いて西表島をシーカヤックで一周してきました。
約90㎞の船旅
1日完漕は出来ないので2日か3日に分けて疲れたら休んで気分が乗ったら漕ぎまくる。自由気ままな船旅なので今回は一人で周ってきました。
4月1日 北風3〜5m
小潮 最干潮8時
西表島の北側 船浦港からの出艇。
航路は時計反対回り。
今日は西表島の南西区にある崎山湾を目指します。
昨晩は前線通過で猛烈な雨。
今日の天気を心配してましたが…なんとも気持ちのいい日差しが出発を迎えてくれました。
AM8:30
写真の右に小さく見えるのが鳩離島。船浦港には割と強い北風が入ってきていて湾から防波堤を抜けるとリーフを乗り越えてきた波がカヤックにぶつかって早速全身びしょ濡れ。
旅の出発を祝ってくれてるのか?!
始まりからなかなかの洗礼。そりゃそうだ。予報では北東5m。こうなってない方がおかしい。
しかしツアーで何度も使っている航路。何百回も通ってる通勤の道のような航路。恐れる事はなく力強くパドリング。
西表島を左に見慣れた船浦の集落が少しずつ離れていきます。
誰か見送ってくれてないかな??
なんて女々しく確認しながら鳩離島を右手に浅瀬の中海岸沿いを黙々と進んでいきます。一周して帰って来た時は見慣れたここの景色がどんな風に見えるのか?
今からそれが楽しみだった。
上原港や上原の鉄塔が見える
北東の風が徐々に追い風へと変わっていって30分もしない内に上原港の入り口が見えてきた。
港には出航しそうな船がいないか、石垣からの高速船が来ていないかなど周りを見渡しながら颯爽と通過。
まるまビーチを過ぎた辺りから外洋には割と大きなうねり。
そしてそのうねりがリーフエッジにぶつかって大きな白波をたててます。体感では5m以上の風は吹いてた気がします。
ここから外洋を漕ぐか、白波がギリギリあたらないリーフ内を漕いで進むか迷ったあげく、びびりの僕は浅いリーフ内を選択。パドルを深く入れるとサンゴ礁にあたりそうなくらいの水深。小潮を狙ったスケジュールが功を奏します。時々水面から顔を出す石灰岩をうまくかわしながら約30分。
AM9:30
星砂の浜を通過。
遠くで手を振ってくれてるのは朝からビーチで遊ぶ親子。僕も手を振り返すと子供は体全部を使ってまた大きく振り返してきます。それに答えるようにパドルで大きく振り返す。
何度も見てきた星砂ビーチの反対側にいる。それだけで少しうれしくなりました。
星砂ビーチの波を全身で感じながらパドリング
耳きりの浜手前まで来た辺りからはやたらとサーフ波がリーフ内に入ってきていて何度もバランスを崩しそうになりますが、凌いでばかりじゃつまらないと少しカヤックの角度を変えてわざと波が襲ってきそうな場所で波待ちします。
大きな波が来る瞬間。
おもっきりパドリング!波のスピードに合わせてカヤックを波に乗せます。
するとカヤックは突然いつもの何倍ものスピードでサーフィンのように波の上を走っていきます。
人力では絶対に出せないスピード!!
「気持ちいい!!」
もちろん転覆すればサンゴ礁で、体はズタボロになるんでしょうが余り味わえないカヤックでの疾走感!サーフィンをやってる人の気持ちが少しだけわかった気がします。
西表島のサーファー達が楽しむうなり崎
AM10:00
波を何度か楽しむと今日1つの目の難所であるうなり崎が見えてきた。ここは波が高いと西表島のサーファー達がサーフィンを楽しむ場所でもあります。
外洋からは北東のせいでかなり大きなうねり。リーフの所で大きな白波を立てて破裂するように岬の岩盤にぶつかって「ザバーン!!」と大きな音を立てています。
さすがにリーフ内は漕げないと思い仕方なく波だっていない場所を見つけて外洋に。
北東の風で南西まで楽にいけるだろうと組んでしまったスケジュール。
失敗したかな?!と思わせる大きなうねり。
引き返すかと一瞬弱腰になるが、開始1時間そこらで帰る訳にはいかん!と心に決め、追い風に身を預けます。下を見ると青々としたグランブルー!見ているだけで吸い込まれていきそう。
カヌーの後ろから北東の風に乗って大きなうねり、そしてうねりの谷間に入ると西表島が見えなくなる。カメラなんて絶対出してられない状況。ここで転覆だけは避けねばと後ろから来るうねりを見極めながら逆らわず波に合わせて慎重にしかし力強くパドリング。
何度もやってくる大きなうねりに舵を合わせバランスをとる事何分くらいだろうか?!
気づけば岬を過ぎていてうねりは少しずつ弱くなっていました。
うなり崎の展望台東屋が見えてきた!
ウナリ崎を通過。冷や汗もんでした。
左を見ると絶景サンセットポイントの東屋が見えていてなんだかホッとしました。
西表島シーカヤックの醍醐味。海ガメ遭遇
ウナリ崎から浦内、祖納までは北西の追い風がグイグイカヤックを運んでくれます。
そしてこの外洋では何度も海亀が顔を出してくる「プシュー!!」と言う音を立てながら水面にあがって息継。
ものの5分で、4匹と遭遇。
祖納の裏手のビーチに上陸して少し休憩。1人での航海、心配をかけないように随時連絡。
そしてこの先、南西をぐるりとまわると大原までいかないと電波はつながりません。おやつに買ったグミを食べながら携帯をいじり、5分ほど休憩してすぐにまたカヌーに乗り込みます。
カヌーは一路、奥西表へ。
AM11:00
目の前には内離島と外離島。この間を通って崎山へ。少しすると海の色が鮮やかに変わってきてシラス浜が見えてきました。
ここはよく僕がツアーで使っている場所。海外のリゾート地のようなロケーションです。
奥西表のシラス浜上陸。まるで海外リゾートです。
干潮になるとこの浜は出現し二つの無人島を砂浜でつなぎます。
最近は潮の影響でずっとくっついたままですが、やっぱりいい場所。いいロケーション。奥西表島の景色で1.2を争う場所のひとつです。
北風は一向におさまる気配はなく、いかした髪型になってしまった。
前日買ったイカフライをお昼代わりに食べて、ここから一気に今日の目的地、崎山を目指します。
イダの浜の青い海とゴリラ岩、サバサキの岬
左手奥には西表で1番綺麗と言われる浜、イダの浜。前方に見えるのはサバサキの岬とゴリラ岩。
ゴリラに見えますか???
このゴリラ岩を超えていくと網取湾がみえてきます。
ここからは人の住む集落は一切なく自然がありのままに残る奥西表。
奥西表の「網取ブルー」!西表島の絶景
そして海の色が徐々に変わってきました。
とうとう網取まできました。どうですか?この色。すごいでしょ?!
「網取ブルー」
誰が呼んだか知らないけどそんなニックネームがついてます。
西表島でカヤックを漕いでて1番気持ちのいい場所。
この浅瀬を通るだけで、もう最高の気分!!
パドリングをやめて風に身を任せ、ただただ瑠璃色の海をぼっーと眺めていると、徐々に網取の浅瀬から離れてく。
そしてこの先からは僕自身も未開の地。追い風に乗りながら崎山湾の南西の1番端のビーチを目指します。
網取のリーフが終わると崎山の浅瀬には白波がかなりたっていたのでおもいきってここからは外洋を漕ぎだします。ウナリ崎ほどのうねりはなかったものの、やっぱり外洋は緊張します。
少し漕ぐと今回の旅で1番の難所のパイミ崎がみえてきました。
パイミ崎はツアーガイドでも要注意のカヤックの難所
パイミ崎。僕はこの単語を聞くだけで、ピクッと反応してしまいます。
西表島を一周するにあたって1番気がかりだった場所。西表島の南西端にあるこの岬はリーフが極端に短く、外洋のうねりは直接この岬にぶつかり、島から吹き下ろす風や島に向かってくる風で予測不能な波を作るそうです。もし目の前まで行って、自分にはまだ無理と思えば引き返そうと心に決めてましたが、目視では岬は先ほどのうなり崎より荒れていない様子。
時計を見るとまだ12:30
目指していた崎山のビーチには先客がテントを張ってキャンプをしていたので、なんだかあのビーチには呼ばれていないと判断し、目標にしていた崎山のビーチはやめて今日そのままパイミ崎を越える事にしました。
西表島一周シーカヤック冒険記第二話はこちらから
「人事を尽くして天命を待つ」 少し大袈裟かも知れないけど、この場所のために、最近はずっと海図や天気予報とも睨めっこしていて実行するタイミングを図ってた。 そう、目の前はパイミ崎 西表島で1番の難所。ライフジャケット[…]